こんにちは、うりぼうです
今回は、「アライアンス・バーンスタイン 米国成長株投信」について見ていきます
王道のインデックス投資をしている方には馴染みのないファンドかもしれません
米国成長株に投資しておきながら、コースによっては高い分配利回りも期待できる投資信託です

投資するかどうかはともかく、高配当投資家としては知っておきたい銘柄です
アライアンス・バーンスタイン 米国成長株投信
概要
アライアンス・バーンスタインは米国の資産運用会社です
運用資産額は約82.0兆円
バンガードが600兆を超えているので、やはり世界トップと比べると見劣りします
「進化」+「成長」+「イノベーション」=「米国」
という信念のもとで高い利益成長もしくは持続的な利益成長の可能性が高いと判断される企業に投資します
まず米国の有望なグロース銘柄を1000個出し、ファンダメンタルズ分析などで最終的に50~70銘柄に絞り込んでポートフォリオを作成します
アライアンス・バーンスタインはアクティブ運用を行う会社です
米国成長株投信には4つのコースがあり、毎月分配の出るコースと年2回分配のコースがあります
4つのコース
- Aコース:(為替ヘッジあり)分配は年2回
- Bコース:(為替ヘッジなし)分配は年2回
- Cコース:(為替ヘッジあり)予想分配金提示型、毎月分配
- Dコース:(為替ヘッジなし)予想分配金提示型、毎月分配
為替ヘッジのありなしと、分配金が年2回か毎月分配かで分かれています
Aコース、Bコースは値上がり益
Cコース、Dコースは分配金狙いのコースと言えます
信託報酬
信託報酬は4つのコースすべて同じ
信託報酬 |
1.727% |
アクティブ運用のためかな~り高い設定となっています
以前利回り11%の超高配当としてご紹介したQYLDでも信託報酬は0.60%でした
アライアンス・バーンスタインはものすごく強気ですね
ちなみにS&P500に連動するVOOは0.03%です
4つのコースの純資産総額
2021年7月7日に発表されたレポートによると…
4コースの合計純資産総額が2兆円に到達したとのこと
Aコース | 1184億円 |
Bコース | 3270億円 |
Cコース | 5087億円 |
Dコース | 1兆470億円 |
Dコースは2位のCコースの約2倍ほどの資産が積み上がっていますね
多くの投資家から支持されているのはDコースのようです

というか、AコースとBコースは運用総額が少ないので買うの怖いですね…
Youtubeで解説動画があります
モーニングスターの代表取締役社長である朝倉さんによる解説動画がありました
この投資信託に興味のある方は是非見てみましょう

また、朝倉さんがアライアンスバーンスタインの運用戦略部長である岡田さんへインタビューしている動画もありました

モーニングスターについては以前別の記事でご紹介しています
高配当かつ優待でリップルという仮想通貨がもらえる銘柄です

S&P500と比べてどうなの??
出典:https://web.alliancebernstein.com/investments/jp/equities/uslcg.htm
灰色がS&P500です

すごい…!
過去5年間の運用実績で米国を代表する指標であるS&P500をすべてのコースで上回っています
アクティブ運用は長期でインデックスに負けるのがほとんどです
5年というある程度長期でこれだけの実績を残せるのは一握りの限られた素晴らしいファンドと言えます
しかし、これがこのままずっと続くとは言えないのがアクティブファンド
インデックスに比べてリスクが高いのは間違いないため、運用実績は常に把握しておかないといけません
また、このファンドの最も成績が悪かった時期は2016年です
2016年も合わせたパフォーマンスを見ていかなければなりません

このファンドの成績が最も悪かったのが2016年なので、5年間の成績で見ると実際よりかなり見栄えが良くなります
ちなみに以下のサイトにDコースの分配金込みのトータルリターンがグラフで載っています

2016年は低迷していましたが、その後はすごい勢いで右肩上がりです
当然ですが、トータルリターンで言うと分配金が少ないBコースの方がDコースより良いです
組み入れ銘柄
気になる組み入れ銘柄を見てみましょう
TOP10はこちらです
銘柄(2021/08/29時点) | 組み入れ割合(%) |
MSFT マイクロソフト | 7.24 |
GOOG アルファベット C | 6.89 |
AMZN アマゾン ドットコム | 5.07 |
FB フェイスブック A | 5.01 |
UNH ユナイテッドヘルス グループ | 4.70 |
V ビザ | 4.38 |
ZTS ゾエティス A | 3.63 |
MNST モンスター ビバレッジ | 3.31 |
VRTX バーテックス ファーマシューティカルズ | 3.27 |
ISRG インテューイティブ サージカル | 2.84 |

アメリカを代表するつよつよ銘柄ばっかりじゃねーか
こりゃあ利益でるわ
(アップル入ってないけど…)
IT系が全体の44%程度占めていますが、それ以外はバランスよく入っています
以下のサイトですべての組み入れ銘柄を見ることができます

分配金
よくある「たこ足配当」にならないように運用されそうに見えますね
では人気の毎月分配型のCコースとDコースの分配について見ていきます
Cコース、Dコースの分配
CコースとDコースの分配金は基準価額によって決まります
基準価額 | |
11000円未満 | 基準価額の水準等を勘案して決定 |
11000円以上12000円未満 | 200円 |
12000円以上13000円未満 | 300円 |
13000円以上14000円未満 | 400円 |
14000円以上 | 500円 |
例えば、決算日の前営業日のDコースの価格が12500円だった場合
上の表にあてはめると300円になることが分かりますね
つまり、、、
基本的にCコースとDコースのファンド価格は上がらないように調整されているということです
14000円以上の価格になれば分配金をたくさん出して価格が下がるよう調整します
逆に11000円未満であれば価格が低すぎるため分配金を出さないなどで価格が上がるよう調整します
投信の価格次第で分配金が分かるようになっています
価格が安いと分配金も少なくなるため、一概に安い時に買った方がいいとも限りません
1番人気!Dコースの分配金推移
上の図を見ると、2016年は全く分配金の支払いがなかったことが分かりますね
2014年11月から2021年8月までで以下の実績があります
計 | 82か月 |
分配金が支払われた月 | 64か月 |
分配金が支払われなかった月 | 18か月 |
分配金が支払われた割合は78%
22%の割合で分配金は支払われなかった計算となります
分配利回りを計算
分配金の平均は支払われなかった月を含めて約136.58円となります
136.58×12で1年間の平均分配金額は1638.96円
利回りで考えると、、、
2021/08/28の価格が12604円で、分配利回りは約13%となりました
税引き後でも10.3%程

分配金が出てない時期を合わせて計算してもとんでもないファンドですね
こんな投資信託があるとは…
別の記事でご紹介した超高配当ETFであるQYLDを超えています
QYLDは税引き前で11%程でした
米国の二重課税を考えると8%台になります(確定申告で一部取り戻せますが)
アクティブファンドのため、安易に今後もこのような実績が続くと考えると危険とはいえ魅力的です
信託報酬の差を考えるとQYLDと良い勝負ではないでしょうか
とはいえ、2016年は1度も分配金が出ていません
分配金が出てないということは、価格も11000円以下で推移していたことになります
実際2016年の価格は1年間丸々10000円を切っていました
8000円台を記録する日もあったようです

1年間価格は低迷し続け、分配金も出ない
こんな状態を我慢し続けられるでしょうか…
そう考えると、ある程度高い時に買う方がよさそうです
まとめ
Dコースの分配利回りの高さがとても魅力的に見えてしまいますが信託報酬が高すぎるのがネック
信託報酬は投資額に応じてたくさん取られてしまうので長期投資の観点ではかなりの足かせです
とはいえ、個人的には結構面白い投資信託だなーと思っています
パフォーマンス自体は結構よいので中身をしっかり理解したうえで買うなら問題ないと思います
記事中にも出てくる毎月分配の高配当ETFであるQYLDの記事はこちらです

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